ラビット開発の物語

S-61 型 ・・・・昭和20年代後期

 基本構想
                                                                 
   乗りやすく実用性に富むスクーターを作ることを目的として自然な乗車姿勢、適正な重量分布、
    取り扱いの容易化、エンジン性能の向上などを図り、まさにデザインは均整のとれた優美なもの
  として開発された。
                                                                           
 主な特徴 
                                                                 
     1. 風防を装着し、風防の裏側に燃料タンクを格納した。                     
     A. 風防装着により、耐候性を増し、寒風、降雨時に走行が容易になった。    
     B. 前方にボリュウム感を増し、また、重量分布が適正になった。            
    2. 性能の向上                                                           
      A. 222cc 6HP のFE-51型エンジンを搭載し、性能を向上した。               
        B. S-61D型には、MD-13型トルクコンバーターを装着した 236cc 6.5HPの FE-52型エンジンを
             搭載して更に性能を向上した。                       
       3. 乗りやすく、実用性に富むスクーター。                                 
         A. シート高を S-48型よりも 30mm 低くし、ステップ幅の増大、ハンドル幅の適正化を図り
             乗りやすくした。                            
        B. 重量軽減と重心位置、重量配分を適当にして取り扱いをよくした。       
        C. 荷物室を大きくとり、カバー開閉用手掛けはカバン掛けとした。          
       4. その他
        A. エンジン支持部に非連動性防振ゴムを使用し振動を改善した。            
        B. 後輪ブレーキドラム径を 160mm にしてブレーキ性能を向上した。         
        C. S-61V型からはチューブレスタイヤを装着した。                        
        D. キック軸をエンジン側に取り付けてキックギヤのかみ合いを良くした。
        E. 後輪廻りを整備して、鑑賞には2重コイルバネを使用し、これをパイプ製バックボーン
             フレームに内蔵した。                        
                                                                           
 試作経過の概要

   昭和28年12月〜
     構想: 1. S-48、S-55型に代わる次期スクーターとして設計された。
            2. S-48、S-55型の不具合を改修しデザインも一新した。

   昭和29年4月〜10月
     S-60型として試作され、4台が完成、以下の特徴を持っていた。
         1. 振動 :エンジン支持に非連性防振ゴムを使用してハンドルとフレームの振動を改善した。
         2. 乗心地:後輪緩衝に2重コイルバネを使用し、これをキールパイプに内蔵した。
         3. 耐候性:風防を装着することにより耐候性を増した。
                  風防に導風孔を開けてこれに入る風をダクトを通してエンジンルーム内に導入して、
         冷却と防塵およびエアークリーナーに正常な空気を供給した。
         4. 軽量化:テレスコ・フォークをパイプ製ステムバーとボトムリンク式とした。
                  板金製後部泥除けをフレーム後部の強度部材と共用化した。
                  カバー板厚を0.6t とし、軽量化を図った。
 
  昭和29年11月〜
     S-61-T型として試行生産が行われ、S-60型の不具合を対策した試行生産車が、5台製作された。
  これは全数市販された。

   昭和30年7月〜
     S-61D型試作車の生産
         1. S-61-V型の本体にMD-13型流体トルクコンバーターを装備し、236cc 6.5HP のFE-52型
      エンジンを搭載した。
         2. トルクコンバーターは最初、MD-10型を 222cc 6.0HP のFE-51型エンジンに搭載して開発
      されたが、トルコン特性とエンジン性能がマッチせず、登坂性能が劣っていたので、
      外形をコンパクトにして効率の良い MD-13型トルコンとし、エンジンも出力を向上した
            FE-52型が使用された。

  
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