ラビット開発の物語

S-201 から S-202 まで・・・・昭和30年代中期

 基本構想                                          
   S−201:                                                      
     90cc、2サイクルエンジン、大径車輪に加え斬新なスタイルを持ったオートスクーター タイプで、
     従来のスクーターとは全く趣を異にした軽量、低価格の大衆車とする。                        
   S−202:                                                      
     S−201Cをベースにしてスタイルを一新、性能、機能の向上を図った大衆車とする。                                            
                                                                     
 主な特徴
                                                                     
   1.外観                                                          
       スクーターとオートバイの特徴を活かし、大径車輪とカバードスタイルのユニークな車である。                                                                                                   
   2.性能                                                          
       自然空冷により出力損失を少なくした90ccエンジンで、低速トルクが高く実用性の高い車。                                  
   3.操縦安定性および取扱い                                        
       大径車輪の採用により悪路での操縦安定性も良好で、軽量かつエンジンをダクトの下に入れて重心
       を低くしたので乗り降り操車も簡単である。                                                                                                                    
   4.エンジン冷却                                                  
       エンジンカバーと翼型マフラーによってダクトを形成し、ジェット式に空気が車の中央を吹き
       抜ける独特の構造であるので冷却効果は充分である。                                                                                                                     
   5.前後緩衝                                                      
       ラビットで始めて前後緩衝にゴムを取り入れたので前後のバランスが良く、ソフトな乗り心地である。                              


 試作経過の概要 (S−201)

   昭和31年1月〜
    SL車という呼称の下に低排気量の新しい開発が始まった。その内容は、「原動機付大1〜2種に属
   する車で軽量、低価格、取扱簡単、乗り心地向上により新しい需要層を開拓する」。
     以上の方針で基礎的な研究がすすめられた。
          1) 2.50−15タイヤ及びスポークリム
          2) テンションラバー、コンプレッションラバー
          3) Moto Guzzi が比較車として調査された。

   昭和31年5月〜
     具体的な計画段階に入り、基本方針として次の如くまとまった。
          1) 発動機 :90cc、2サイクル、自然空冷エンジン、ハンドクラッチ、ノーミッション
                       または、2段ミッション。
          2) スタイル:大径車輪を使用しエンジンをステップの間において車全体をカバーで覆った
                       オートスクータータイプ。
          3) 乗り心地:前後緩衝にゴム、シートにフォームラバーを使用。  
          4) 性能  :S−48程度を確保(最高速60Km/h) 

   昭和31年11月〜
     試作3台が32年5月完成。ノーミッション車2台、2段ミッション車1台。
     主な検討項目。
          1) ミッション及びクラッチ
             ノーミッションと2段ミッション車が試作されたがノーミッション車は性能上不満足で
       あったので2段ミッション車が生産仕様となった。
             クラッチは試作初期はハンドクラッチであったがスクーターユーザーは操作が困難なので
             自動クラッチに変更された。
          2) 強度、耐久性
             ・ハンドルフォークの折損 → ステムバーをのばし溶接で補強した。
             ・スポークの折損 → スポーク径の増加と材質の変更。
             ・チェーンの切断 → 強度不足のためチェーンの幅をサイズアップ。
             ・テンションラバーの強度不足 → 天然ゴムから合成ゴムに変更。

   昭和33年6月
     増加試作2台完成。1台は生産仕様、1台は機能、強度等対策品を組み込んで耐久試験を行い、
   一次試作の問題点解決の効果を確認して生産に入った。
                                                                     
   昭和36年8月〜                                                                                                                     
     S−201Cの次期試作車として、S201Cの外観を全面的に変更する。但し、フレーム、
     エンジンは変更せず性能の向上を図る。   
     以上の方針で早期生産を目指して検討された。                                                                                          
     主な改修項目は、                                                 
        1) スタイル                                                    
        2) バッテリー                                                  
        3) 吸排気                                                       
                                                                       
  昭和36年10月〜
     5台の試作車は昭和37年2月に完成。
     主な検討項目
       1) 性能 :吸排気系の検討結果、吸入管長、排気管長を長くすることにより低中速の出力を向上した。
       2) ミッション:ミッション操作をセンタープーリー式にすることで操作力が40−50%軽減し
         操作しやすくなった。
       3) 騒音  :吸入音対策として吸入パイプ径を25Φ、丸型エアークリーナーエレメントを使用して
         良好となった。
       4) 繰安性:S201の場合、タンクの位置が前であったがシートの下にしたので前輪荷重が少なく
         なり、悪路、砂利道でハンドルの振れが発生した。トレールを76 → 81mmに
         変更して対策した。                                                                   

  
元に戻る